非常用電源は、オフィスビルや工場、病院、上下水道施設、電力施設、通信施設、鉄道関連施設、原子力施設など、人々の暮らしや産業を支える重要な施設の至るところで使用されています。
蓄電池の電解液量を確認し、減少している場合は最高液面線まで補水してください。
精製水には特に使用期限を定めていませんが、3年を超えたものの使用については、品質上、推奨していません。
2024年1月1日から蓄電池設備に関する消防法令が改正されました。
改正の内容
1)消防法令における蓄電池容量の単位が[Ah・セル]から[kWh]に変更されています。
2)火災予防条例の対象が、4,800Ah・セル以上の蓄電池設備から10kWhを超える蓄電池設備に変更されました。
3)20kWh以下の全ての蓄電池設備は、電気設備設置届(蓄電池設備設置届)が不要となりました。
以下に一例をご紹介します。
【制御弁式据置鉛蓄電池の場合】
改正前:MSE-150 150Ah×54セル=8,100Ah・セル
⇒4,800Ahを超えているので届出が必要です。
改正後:2V(鉛蓄電池電圧)×150Ah×54セル=16.2kWh
⇒20kWh 以下ですので届出は不要です。
※同一の部屋に複数の蓄電池設備を設置している場合は、合計した蓄電池容量となります。
※部品は一般的なものであり、個別には異なる場合もあります。詳細については、お問い合わせをお願いします。
設備の機能を維持するために、電気事業法や消防法、建築基準法などの法令によって、維持管理の基準が定められています。蓄電池設備は、長年の使用によって各機能が劣化し、ついには機能が果たせなくなり、環境や使用条件の変化で思わぬ突発事故に結びつく場合があります。安心して使用するための定期的な点検・整備の実施は、ユーザーの責任です。「うちの設備は、まだまだ大丈夫」と過信せずに、定期点検を行いましょう。
直流電源装置は、蓄電池と蓄電池を充電するための整流器で構成され、また、建物に必要な直流電源を供給するものです。直流電源は、万が一の停電の際に受変電設備の監視や操作、計装機器や通信機器等をバックアップするために必要であり、建築基準法に基づく非常照明の電源として役目を担っています。
蓄電池を充電する際、充電終期に近づくと、その電気量の一部は電解液中の水を電気分解し、負極から水素ガス、正極から酸素ガスを発生し、蓄電池外部へ放出されて電解液が減少するという症状が起こります。
触媒栓は水素ガスと酸素ガスを反応させて水を作り、蓄電池内部に戻す役割を担い、補水などの面倒な保守作業を軽減させます。また、水素ガスと酸素ガスの混合ガスは燃焼や爆発の可能性があるため、触媒栓は防爆性能を発揮。触媒栓を長時間使用していると、その性能が劣化し還流効率や防爆性などの機能も低下してきますので、使用開始後5年を経過したら、全数を取り替えてください。
蓄電池容量試験を実施することにより残存容量が数値として分かりますので、取り換え時期の立案ツールとして活用できます。
蓄電池が期待寿命に達しました。機種によっては蓄電池の充電を止めてしまうものもありますので、早めに蓄電池の交換や装置一式の交換をお願いします。
使用開始から3年程度は半年に1回程度です。その後は3~4か月に1回実施してください。